施工管理 × 業務システム
建設会社の工事部で施工管理をしながら、社内の業務システムを内製しています。申請された内容を人が読んで別のシートに打ち直す——そうした工程を消すのが仕事です。
下に並べたものは、いずれも実際に社内で動いています。やり方そのものを変えていただく必要はありません。手間になっているところにだけ、脇から手を入れます。
勤務先の業務システムのため画面とコードは公開できませんが、何をどれだけ減らしたかは書けます。「前」は仕組みを入れる前の手作業、「後」は仕組みを入れたあとに人が残って行っている確認作業です。ゼロにはしません。確認は残します。
| 作ったもの | 消した工程 | 前 | 後 |
|---|---|---|---|
| 発注伺の自動連携 | 承認された発注伺の内容を、発注管理シートと請求管理ソフトへ二重に手入力していた工程。工務部と共同で構築 | 月12時間 | 月1時間 |
| 全社の会議室予約 | 会議室の空き確認と、同じ枠の取り合いの調整。全社員が対象 | 月10時間 | 月3時間 |
| 請求書サービスとの連携 | 請求書管理サービスと社内シートの間の手作業の受け渡し | 月8時間 | 月1時間 |
| 基礎図からの工程表生成 | 基礎図を見ながら七日間工程表を手で作成していた工程。休業日や打設日など、置いてはいけない日程は自動で色分けして警告 | 月6時間 | 月30分 |
| 勤怠データの自動連携 | ワークフローの申請内容を勤怠管理シートへ手入力し、目視で確認していた工程。総務部と共同で構築 | 月5時間 | 月30分 |
| 図面・書類PDFの自動仕分け | 受け取ったPDFを開いて中身を確認し、名前を付けて工事ごとのフォルダへ振り分けていた工程 | 月5時間 | 月30分 |
| 工事日報のPDF化と配信 | 月次シートから当日分をPDF化し、関係者へメールで送信していた工程 | 月3時間 | 月10分 |
| 合計 | 7件 | 月約50時間 | 月約7時間 |
※ 断りのない数字は「1件あたりの作業時間 × 月の件数」から出した概算です。実測の記録があるものは次のとおりです。発注伺=1か月で122件処理・52案件を同時管理/会議室予約=ダブルブッキング0件/書類PDFの仕分け=本番投入分で誤仕分け0件。
AI・ITに不慣れな社員に向けた社内報を、企画から配信基盤まで作りました。第1シリーズ全8号を発行済み、第2シリーズも設計を終えています。配信は自作のWebアプリで、誰がどこまで読んだかが数字で見えます。あわせてAI利用ポリシーを策定し、経営層に向けて「AIに何をさせているのか」「入力している情報と、していない情報」「学習利用の設定」を説明する資料を作り、合意を取りました。
技術に明るくない相手に説明して、実際に動いてもらうところまでが導入の実務だと考えています。ここは時間では測れないので、数字は出していません。

人が打ち直していた継ぎ目を、仕組みでつなぎます。確認が要るところだけ、人の手に戻します。
説明より実物のほうが早いと思います。どちらもブラウザで開くだけで動きます。
工務店の受発注を想定したデモです。受注を登録すると実行予算の下書きができ、発注伺が承認されると発注台帳と予算残が自動で更新され、届いた請求書は発注と照らし合わせて照合されます。社内で実際に動かしている連携を、架空の会社・現場・業者で組み直しました。
見ていただきたいのは、止まるほうです。空欄は差し戻し、二重は保留、予算超過は工事部長の承認を追加、承認は順番どおり、発注のない請求は照合済にしない。6枚のカードで、それぞれの止まり方を試せます。
届いた請求書は、PDFを読み取って(OCR)入力欄を埋められます。読み取りの方法は、Google の会社ならドライブ、それ以外の会社ならお客様ご自身の APIキー、と選べます。見た目をRPGの迷宮に変えた「ダンジョン版」もあり、右上で切り替えられます。
株式会社小西工務店 Webサイト。スクロールに合わせて、木造平屋の家が地業から内装仕上げまで23の工程で組み上がります。完成した家の中は10部屋を歩いて見て回れ、建具や床・屋根の修繕の様子も同じ模型の上で見せています。
土台・床組・柱と梁・和小屋・屋根の下葺きと板金・通気胴縁・外壁と、図面と施工写真を照らし合わせて骨組みから組み直しました。施工管理の経験があるので、どの部材がどの順で入り、どこで雨を止めているかを正しく描けます。
受発注の自動化でいちばん難しいのは、技術ではありません。会社ごとに、得意先ごとに、ルールが全部違うことです。そこを聞き取って、そのまま仕組みに落とす作業を、自分の会社で一通りやりました。

開発の工程ではAIを全面的に使っています。Claude Code を個人で有料契約し、業務システムの実装に毎日使っています。そのうえで、納品する仕組みにAIを組み込むかどうかは、ご要望と処理の内容に合わせて臨機応変に決めます。

土台はGoogle スプレッドシートとGASで、処理はGoogle Workspaceの中で完結します。理由は4つあります。業務データが外部のサービスへ出ないこと。従量課金が発生しないので動かし続ける費用がかからないこと。社内の方が中を開いて読めるので引き継げること。そして同じ入力には必ず同じ結果が返ることです。
判定や文章生成をAIに任せると、結果が毎回同じにならず、あとから「なぜこの申請が通ったのか」を検証できなくなります。ルールで書けるものは、ルールで書きます。
書類の読み取りや分類のように、ルールで書き切れない処理にはAIを使います。受発注デモでは、請求書PDFの読み取りを「Google ドライブのOCR(GASの雛形)」と「お客様ご自身の APIキーで Claude が読む方法」から選べるようにしました。どちらも、読み取った内容は人が確かめてから受け付け、照合の規則は変えません。
定時に起動してデータを収集し、AIに渡して構造化した結果を配信する無人の仕組みを、個人のプロジェクトで運用しています。構造化出力のスキーマ設計、プロンプトキャッシュによるAPI費用の最適化、定時実行への統合まで含めて設計した経験があります。複数のエージェントを並列で走らせ、結果を多段で検証させる構成も組んでいます。
すでにAIで作られた仕組みを引き継いで、エラーの原因調査、プロンプトと処理内容の改善、業務の変更に伴う設定変更を行う保守側の作業も対応できます。中身がGASでも、Python でも、ノーコードのツールでも、まず読んで、どこで何が起きているかを把握するところから始めます。
どちらが向いているかは、処理の性質で決まります。「本当にAIが必要な処理かどうか」の切り分けから、ご相談に乗れます。
AIを使う仕組みには、人が承認するゲートと、点数に関係なく止める条件を必ず組み込みます。権利の不明な素材、重大な誤り、実在するものとの誤認。こうしたものは評価が高くても通しません。AIは速く大量に作れますが、止める設計がないと、事故もそのまま速く大量に出ていきます。
| 領域 | 内容 |
|---|---|
| 業務自動化 | Google Apps Script / Google スプレッドシート / Google Workspace(ドライブ・カレンダー・管理コンソール) |
| 開発 | JavaScript / TypeScript / Python / HTML・CSS / Firebase / Cloudflare Workers・D1 / PWA |
| Web制作・3D | Three.js / WebGL / Blender(木造軸組の3D模型、GLBでのWeb配信、スクロール連動の演出) |
| システム連携 | REST API連携(ワークフロー、請求書管理などの国産業務SaaS)/ Google 各種 API |
| 自動実行・収集 | GitHub Actions(定時実行)/ Playwright / スクレイピング / 定期バッチの設計と運用 |
| AI | Claude(Claude Code)を実装に毎日使用 / AI APIの組み込み(構造化出力・プロンプトキャッシュ・定時実行への統合)/ 社内AI利用ポリシーの策定と展開 |
| ドキュメント | 業務マニュアル / 操作手順書 / 社内規程 / 教育教材 / 図解・説明資料 |
| 建設実務 | 建築施工管理(工程・写真・発注・協力会社調整・提出書類)/ 2級建築施工管理技士 |